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英国人が驚く! 日本のクリスマス仰天ポイントは 本場のごちそうは伝統料理がたくさん

公開日:  /  更新日:

著者:スチュワード麻子

他にもクリスマスならではの料理はいろいろ!

一口サイズのパイ。昔は肉だったが今ではフルーツ系に【写真:スチュワード麻子】
一口サイズのパイ。昔は肉だったが今ではフルーツ系に【写真:スチュワード麻子】

○ミンスパイ
 かつては食前に食べたといわれ、ショートクラスト・ペイストリーのパイケースの中にミンスミートを詰めて、一口サイズに焼きます。キリストの飼葉桶を表す形で、中のミンスミートは中世に肉をスパイスと砂糖で甘く味付けして食べたことが始まり。昔は生肉のミンチが入っていました。今ではカランツ、サルタナ、柑橘のピール、砂糖、リンゴ、スパイス(ナツメグなど)、スエット、バター、レモンゼスト、ラムまたはブランデーなどです。

○マルドワイン
 クリスマスシーズンの飲み物の代表マルドワイン。赤ワインにブラウンシュガーやオレンジとレモンのスライス、スパイスを加えたホットワインです。甘いので食事中ではなく戸外やパブなどで飲むことが多く、おもてなしの最初に出すこともあります。日本で「モルドワイン」と表記されることがありますが、「モルド」はカビが生えたという意味なので気をつけた方がいいかもしれません。

クリスマス限定のフレーバーを楽しみたい。余ったらチャイにすると最後までおいしくいただける【写真:スチュワード麻子】
クリスマス限定のフレーバーを楽しみたい。余ったらチャイにすると最後までおいしくいただける【写真:スチュワード麻子】

○クリスマスティー
 英国では各メーカーが毎年クリスマスティーを販売し、クリスマス菓子に使われるオレンジピール、アーモンド、シナモン、オールスパイス、ジンジャーなどの香りをつけてあります。大きな缶で売られることが多く、「飲み切れない」「飽きてしまう」という声も聞きますが、そういう時はチャイにするのがおすすめですよ。クリスマスらしいスパイシーなチャイは寒い時期にぴったりです。

 盛大に祝ったクリスマスの後はみんなだらけてしまうのか、英国の年末年始はがっかりするくらい特別感がありません。大晦日はパーティーでたくさん飲んで、元日は二日酔いという人が多いのが英国のお正月。日本のお正月と英国のクリスマスは、祝い方は違っても家族を大切にするところが似ているような気がします。

(スチュワード麻子)

スチュワード麻子(すちゅわーど・あさこ)

日本紅茶協会認定シニアティーインストラクター、日本茶インストラクター、日本茶大使。テムズ・ヴァリー大学・英国パティスリー&コンフェクショナリー・シェフズ・サーティフィケート取得。英ロンドンの紅茶会社を経て、「インフューズ・スクール・オブ・イングリッシュ・ティー」主宰。「ティーアカデミージャパン」代表。レストランやティールームの紅茶コンサルタント業務を行う。紅茶をテーマとした講演・執筆などでも活躍中。著書に「英国スタイルで楽しむ紅茶」(河出書房新社刊)などがある。