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見た目でミカンの甘さは判別できる? 3つの選び方を糖度で比較 甘いミカンの特徴とは
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その3:表皮の油胞の大きさを比較 小さいほうが甘い
最後の検証では、表皮の油胞の大きさを比較します。油胞とは、表面にある小さなつぶつぶのことです。みかんのさわやかな香りは、このつぶつぶに含まれる精油成分から発せられるといわれています。油胞が小さく、数が多いほど甘いミカンとされていますが、気になるのは糖度の差です。
油胞の大きいミカンを見ると、油胞が不揃いでキメが粗いことがわかります。外皮をむいたところ、検証に使用したミカンのなかで、突出して酸っぱい香りがしました。食べてみると、驚くほど酸味が強く、同じ品種とは思えないほどです。
果汁を糖度計で計測すると、結果は糖度11%。最も低い結果でした。
続いて、油胞が小さいミカンの糖度を測定します。油胞の大きさは、大きいものと比べて半分ほどで、数も多いです。むいてみると、酸っぱい香りは感じられません。食べてみると、甘さのなかにほど良い酸味を感じます。とても甘いというわけではありませんが、油胞の大きいミカンよりも甘いことは確かです。
実際の糖度は12%。平均値よりも低い結果となったため、油胞が小さいミカンが甘いというよりは、油胞が大きいミカンのほうが酸っぱさを感じるといえそうです。酸っぱいミカンを避けたいときは、油胞の大きさを比較すると良いでしょう。
○油胞の大きいミカンの糖度:11%
○油胞の小さいミカンの糖度:12%
甘いミカンを見分けるにはヘタの色を確認
以上の検証より、糖度計の計測で最も糖度が高かったのは、ヘタの黄色いミカン。実際に食べてみても甘みを強く感じました。ヘタの色はお店でも比較的確認しやすいため、甘さを見分ける方法としてとくにおすすめです。
形の違いは品種にもよりますが、今回使用した熊本県産「肥のあけぼの」の場合は、丸い形よりも平らな形のほうが甘い結果になりました。糖度の差は0.5%でしたが、一番見分けやすい方法であるため、ミカン選びに迷ったときの判断材料にしやすいでしょう。
油胞の大きいミカンは、使用したミカンのなかで最も酸っぱさを感じたミカンでした。そのため、表皮の油胞の大きさは、酸味の強さを見分けるのに適しています。
これからの季節は、ミカンの品種が豊富になるため、選ぶ楽しさも増えますね。甘いミカンを食べたいときには、ぜひ見分け方を参考にしてみてください。
(Hint-Pot編集部)