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「温度帯によって味わいが変化」 醸造元に聞く日本酒をおいしく楽しむ方法とは
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普段はあまり飲まない人でも、お正月には「ちょっといい日本酒を」と奮発する人も多いと思います。ただ、正月休みのうちに飲み切れないことも……。せっかくのおいしい日本酒。少し日を置くことになっても、ぜひ最後まで楽しみたいところです。上手な保存方法や飲み切るまでの目安、そのまま飲む以外にも楽しめるアレンジを、「久保田」のブランドで知られる醸造元・朝日酒造株式会社 広報の小嶋基成さんにお聞きしました。
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日本酒は「紫外線と温度に敏感」 漏れを防ぐ“縦置きで収納”を
――開栓後の日本酒は、どの程度の日数で飲み切るといいでしょうか? また、飲み切るまでの保存について、置く場所の環境、温度は、どうすればおいしさを保ちやすくできますか?
「まず、日本酒は太陽光や蛍光灯などの紫外線と温度に敏感なアルコール飲料です。そのうえで、開栓前からの話をすると、生酒・生原酒など『生』の記載がある商品は、要冷蔵商品のため、冷蔵庫での保管を推奨しています。
『生』の表示がない商品も、冷暗所での保管がおすすめです。ご家庭だと購入後は、できれば冷蔵庫保管がいいかと思います。
開栓後については、『生』の記載の有無にかかわらず、製造された商品の味わいを楽しんでいただくために、基本的には“冷蔵庫保管”をおすすめしたいですね。さらに当社では、『開栓後2週間程度で飲み切っていただくこと』をお伝えしています」
――瓶の置き方で、注意すべき点を教えてください。
「冷蔵庫保管の際は収納のしやすさから横に倒して収納したくなる気持ちは押さえて、“漏れる可能性を減らすため、縦置きで収納すること”をお伝えしています。
冬の外気温は寒いですが、暖房の効いた室内では温度の高低が起き、その日本酒が製造された時点の味わいに大きく変化が起こる可能性が。そのため、暖房器具を使う部屋では保管せず、紫外線に触れず、かつ寒い部屋で保管いただくことを推奨します。冷蔵庫と近い保管環境かどうかを、チェックポイントにしていただくといいかもしれません」