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からだ・美容

のどに違和感や異物感…更年期ストレスのサインかも? 食養生での対応策とは

公開日:  /  更新日:

著者:かみむら 佳子

更年期は自分自身の体調の変化や向き合う状況でストレスを感じやすい

 ストレスの原因は人それぞれ違いますが、「梅核気」がとくに現れやすくなるのが45歳から55歳くらいまでの更年期の女性といわれています。加齢やホルモンバランスの乱れなど、自分自身への体の変化や衰えを感じながら、仕事と家庭の両立、仕事での責任ある立場、思春期や受験期の子育て、高齢になった親との関わりなど――さまざまな状況に向き合うストレスフルな日常が多くなるからです。

 更年期の女性が「梅核気」になりやすいもうひとつの要因は、ストレスに弱い「肝」の働きが低下することにあると考えられます。肝とは中医学でいう「肝・心・脾・肺・腎」の五臓のひとつ。気を全身に送り届けて精神を安定させ、血を貯蔵して全身に適切な量を送り届ける役割を担います。閉経を迎える時期は、この血の貯蔵が減るために、肝の機能が弱るといわれています。その結果、ストレスの影響を受け、「梅核気」になりやすいのです。

 中医学では「梅核気」で気がめぐらない状態を放っておくと、冷え症、無気力、疲労感、汗が出やすい、息切れなどが起こりやすいとしています。さらに血のめぐりも徐々に悪くなり、皮膚のかさつき、動悸、不安感、不眠などの症状にも発展していくと考えられています。

気のめぐりの解消は芳香が効果的 お茶や料理に香りをプラスしてみて

ミントティーにクコの実をプラスしたもの【写真:かみむら佳子】
ミントティーにクコの実をプラスしたもの【写真:かみむら佳子】

 このような状態を緩和するために、薬膳では、温かいお茶を飲んで気のめぐりを解消します。香りも楽しめるので、いわゆるアロマセラピーのように芳香を利用できて、ストレスの緩和に役立つでしょう。

 おすすめのお茶は、花の香りのジャスミンティーやライチの甘い香りの茘枝(ライチ)紅茶です。また、生のミントの葉にお湯を注いだミントティーも気分を落ち着かせてくれます。

 お茶にクコの実を入れると、さらに更年期の不調のサポートに向きます。薬膳では、クコの実は血を補うと考えられ、ストレスで弱まった肝の機能を高める食材として用います。健康のためとクコの実を買ってみたものの、使い切れなかったという話をよく聞きますが、そんなときはお茶に入れてクコの実も一緒に食べましょう。

 また、グレープフルーツやレモンなどの柑橘、セロリやミツバの香りもおすすめです。サラダに柑橘類やセロリを加えたり、肉のソテーや焼き魚にレモン果汁を絞ったり、お吸い物にミツバを添えたりと香りをプラスしてみてください。

 春は気のめぐりが悪くなり、肝が弱る時期です。とくに病気ではないのに、更年期でなんとなくのどの詰まり感がある人は、お茶や料理に自分の好きな香りを加えることでストレスを発散して、ご自身で更年期の不調を整えましょう。

(かみむら 佳子)

かみむら 佳子(かみむら・けいこ)

大学卒業後、ハウスメーカーの営業職にて勤務後、28歳でフードコーディネータースクールに通い、アシスタントを経て独立。35歳で第2子流産後に続いた体調不良をきっかけに、薬膳を学び始める。「あなたスタイル薬膳RKazen」を主宰し、身近な食材で手軽に養生を実践する簡単薬膳や中医学の指導、セミナーなどで活動中。