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仕事・人生

肌の弱い娘の仕草からひらめいた 専業主婦がスキンケアブランドを立ち上げるまで

公開日:  /  更新日:

著者:中野 裕子

目標を語る栗山ヒロさん【写真:中野裕子】
目標を語る栗山ヒロさん【写真:中野裕子】

本気度が認められ夫も協力的に 目標は3年以内の黒字化

 夫の手を借りるようになったとはいえ、アイデアを出すのは変わらずヒロさんの仕事。友人のイラストレーターにブランドのイメージキャラクター“ドロシーちゃん”を描いてもらうなど、パッケージもヒロさんが考えた。マーケティングやSNSの発信の仕方、写真の撮り方などの本にも目を通して勉強した。どれもこれもヒロさんには初めての経験で、大変というより面白かった。

 生産はメーカーの助言もあって、リップ500個からスタートして初期投資を抑えた。利益率は一般的なオーガニック商品より低く設定し、リップ1本1980円とオーガニック商品でも高額になりすぎない価格にこだわった。商品アイテムはリップだけでなく、face&bodyバームも加えるなど、少しずつ増やしているところだ。

「販売については今のところネット通販がメインで、あとは知り合いの美容サロン数店舗に置いてもらったり、六本木のシェアオフィスとか20社ぐらいにメールして営業に行ったりもしましたよ。ど素人丸出しだと思うんですけど、私、怖いもの知らずなんです(笑)。昨年10月にホームページができ、パンフレットができたのは12月と、本当にまだ“商品の存在を知ってもらう段階”ですけど、いろいろ考えるのが楽しい。もしcucumbalmを作っていなかったら、ソファに座ってボーッとしてるばかりの毎日だったかもしれない、と思いますね」

 目標は3年以内の黒字化だ。

「ドンともうけるよりは、口コミで良さを知ってもらって、少しずつファンを増やしていきたい。この前、長女が『電車の中で持っている人を見たよ!』と教えてくれたときはすごく嬉しかったですね。2020年の目標は、自分の目で、街中で持っている人を1人、見ることです」

 固定観念にとらわれない、自由な発想で道を開いてきたヒロさん。そのチャレンジは多くの人に勇気を与えてくれる。

(中野 裕子)