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「すごい」はNG褒め言葉!? 育児ノイローゼ経験者の三つ子ママが推す「ずぼら力」とは
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保護者にとって、子育ては喜びと苦悩の連続。「子どもの成長は楽しみだけれど悩みは尽きない……」という人も多いでしょう。親子カウンセラー、言葉がけコーチの島谷留美さんは、新婚旅行で授かった三つ子の男の子のママ。男の子3人の子育てを経験する中で、独自のコミュニケーションプログラムを編み出し、『子どもに伝わる魔法の「ほめ方」「叱り方」』(講談社刊)を出版しました。大手通販サイトAmazonが設ける「早期教育」などのカテゴリーで、「売れ筋ランキング」1位に輝いた同書。褒める時の「すごい、偉い」や叱る時の「いつも、また」を禁句にする理由、「成績表は見ない」「朝は起こさない」などの「ずぼら力」といった、さまざまなスキルを紹介しています。その極意や子育て論などについて、島谷さんにお話を伺いました。
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“モンスター三つ子”の壮絶子育て 睡眠不足から育児ノイローゼに
「まるで漫画みたいだよね」。周囲のお母さんたちからよくこう言われるという、島谷さんの子育て。すべての始まりは、三つ子を授かったことでした。短大を卒業して総合商社に6年勤務後、結婚退職した島谷さんはハネムーンベビーの三つ子、長男の陸くんと次男の海くん、三男の空くん(仮名)を出産します。
医療従事者の夫は勤務が不規則で、島谷さんの育児はほぼワンオペ。体育会系を自負する島谷さんも3人の授乳や入浴などに追われ、「精神が壊れる寸前」になり、ついには「睡眠不足から来る育児ノイローゼ」で入院するほどでした。
しかも、体は小さいのに爆発的なエネルギーを持つ“モンスター三つ子”は、小学校入学後も「学級崩壊の主犯格」になるやんちゃぶり。島谷さんは「私はダメな母親だ」と落ち込むこともありました。
そんな壮絶な子育てを乗り越えるきっかけとなったのが、米国発祥の「親業」というコミュニケーションプログラム。島谷さんは「親の役割とは何か」という根本的な問いに立ち返った臨床心理学のメソッドを実践しました。すると子どもにも変化が現れ、「嘘のように子育てが楽しくなった」そうです。
島谷さんはその「親業」をベースに、自身の経験や学びを踏まえて、独自のコミュニケーションプログラムを開発。現在はブログやカウンセリング、オンラインセミナー「ママの学校」を通じて、子育てに悩む保護者たちにアドバイスとエールを送っています。