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「すごい」はNG褒め言葉!? 育児ノイローゼ経験者の三つ子ママが推す「ずぼら力」とは
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子どもに安心感を与える「聞く力」
そんな島谷さんが編み出した「言葉がけのルール」をまとめた本書は、4月の出版後、Amazonの「子育てノンフィクション」「早期教育」などのカテゴリーで、「売れ筋ランキング」の1位を獲得しました。
本書が紹介しているのは言葉がけのスキル。「聞く力」「ほめ力」「叱り力」「話し合う力」「ずぼら力」「我が家のルール力」「親が大切にしていることを伝える力」の7つを挙げ、そのノウハウなどを解説しています。
まず「聞く力」の例としては、子どもが悩みや問題を抱え、そのサインを発した時の対応があります。大切なのは、事実をベースに子どもの話に耳を傾け、気持ちに寄り添うこと。例えば、子どもが「今日のテスト90点だった」と言ったら、「何だ、100点じゃなかったの?」「次は頑張ろう!」という返事はNG。「今日のテスト90点だったんだね」と子どもの言葉を繰り返すのです。
「子どもが悩んで困っている時は、お母さんが説教やアドバイスする時ではありません。そのため『本当は100点が取りたかったから、悔しかった』という子どもの気持ちを汲んで、寄り添うために言葉を繰り返します」
こうすることで、子どもは「分かってくれている」と安心し、自分で解決策を考えるようになるのだそう。この安心感を与える言葉がけのノウハウとしては、「は」行の「ひ」を抜いた「はふへほ」と、肯定感と共感を伝える「そ」を相槌に多用することを勧めます。会話の例を見てみましょう。
海くん「図書館行った方がいいかなぁ。ヤバイんだよね、今度のテスト」
島谷さん「ヘー」
海くん「今日やっておかないと、明日きつくなるんだよねー」
島谷さん「ふーん」
海くん「やっぱり図書館行こうかな……」
島谷さん「そ」
また前出の子どもの言葉を「繰り返す」に「言い換える」「気持ちを確認する」のパターンを加えた「3つの魔法の言葉がけ」も。「アクティブリスニング」と呼ばれるノウハウです。例えば、3パターンの返答は以下になります。
子ども「宿題なんて嫌だ。やりたくない」
パターン1(繰り返し)「宿題が嫌でやりたくないんだね」
パターン2(言い換え)「やる気が出ないんだね」
パターン3(気持ち確認)「宿題が多すぎるとうんざりなんだね」
そうした言葉がけをすることで、子どものモヤモヤしている思いがクリアになり、自ら解決策を導き出すこともあるそうです。