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「すごい」はNG褒め言葉!? 育児ノイローゼ経験者の三つ子ママが推す「ずぼら力」とは

公開日:  /  更新日:

著者:倉野 武

医学部、総合商社、外資系コンサル…自分の道を見つけた“モンスター三つ子”

さて、“モンスター三つ子”のその後はどうなったのでしょうか。現在の長男・陸くんは私大医学部に在学中、次男・海くんは早稲田大学政治経済学部を卒業して総合商社に入社、三男・空くんは米国の大学留学を経て外資系コンサルティング会社に入社と、それぞれの人生を歩んでいます。

小学校3年生当時のモンスター三つ子。写真左から三男・空くん、長男・陸くん、次男・海くん【写真提供:講談社】
小学校3年生当時のモンスター三つ子。写真左から三男・空くん、長男・陸くん、次男・海くん【写真提供:講談社】

「3人の人生って、ノンフィクション映画を観ているみたいです。しょっちゅう転んで、泣いて、笑っていますが、親が敷いたレールを行くより、まったく分からない人生を歩んでいく子どもの姿を後ろから見守ることができるのは、子育ての醍醐味だと思います」

そう語りながら、穏やかな笑顔を見せる島谷さん。「ま、いっか母ちゃん」の別名も持つ保護者として、今後についてこう続けます。

「『MOTTAINAI(もったいない)』みたいに『ま、いっか』が世界に広まって、お母さんたちに楽になってほしいですね。お母さんが鼻歌を歌って笑っている姿を見られる場所が、子どもには一番居心地が良い場所です。そういうお母さんを増やしたい。お母さんは自他分離して、自分の好きなことをして、社会の一員として輝いて生きることが大切。その姿こそ子どもへの一番の言葉がけなのではないでしょうか」

◇島谷留美(しまや・るみ)
1972年、埼玉県生まれ。親子カウンセラー・言葉がけコーチ。6年間勤務した総合商社を結婚退職したが、ハネムーンベビーとして男の子の三つ子を授かり壮絶な子育てが始まる。そこで米国発祥のコミュニケーションプログラム「親業」を学び、「親の役割とは何か」という問いに立ち返る臨床心理学のメソッドを実践。のちに子育て体験を基にした独自のコミュニケーションプログラムを開発し、現在はブログ「ママが楽になる言葉がけ! 子育ての軸を作る ま、いっか母ちゃん『ママの学校』」やカウンセリング、オンラインセミナー「ママの学校」で活躍。ブログは2019年5月期に14万7000アクセスを記録し、子育てジャンルで1位を獲得した。

(倉野 武)