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メーガン妃が「嫌われる理由」 ロイヤルのいない国に生まれたプリンセスの埋まらない溝
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英国でのロイヤルファミリーの話題は尽きない。特にメーガン妃の言動が現地メディアで頻繁に報道され、日本はもちろん世界中で注目される。最近では、自ら環境保全や貧困撲滅を訴える一方で、住居の改修に高額な税金を使用したり、プライベートジェットを多用するなどして批判の的に。また先のアフリカの公式訪問では好評を得た矢先に、今度は英大衆紙を提訴して不穏な空気が流れている。なぜメーガン妃はバッシングされるのか。93年に渡英、ロンドン市内の出版社勤務の経験もあり、つねに現地の話題や情報の最先端に身を置く英在住のライター・森昌利氏に寄稿してもらった。
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ドラマで描かれたケネディ大統領夫妻の間違いだらけの作法
ネットフリックスが配信するテレビドラマ「ザ・クラウン」は、シリーズ1そして続編のシリーズ2も驚くほどの反響を集めたが、それも在位中であるエリザベス女王の人生が赤裸々に描かれているからだろう。王位と家族の狭間で揺れる人間エリザベスの実像が見事に再現され、もちろん歴史的な意義も高く、英王室に関心のある方なら必見のドラマとなっている。
その中にケネディ大統領夫妻との初対面のシーンがある。これがいわゆる王室のプロトコル(儀礼作法)を知らないアメリカ人の典型を描いていて、非常に面白い。間違いだらけなのだ。
まず、本来なら主賓である大統領から女王に挨拶をするべきところで、ジャクリーン夫人が先にエリザベス女王に歩み寄ってしまう。しかも女性が膝を軽く折り曲げて頭をさげる”カーテシー”というお辞儀もなし。さらには「Your majesty」(ユア・マジェスティー)と呼びかけなければならないところで「Your royal highness」(ユア・ロイヤル・ハイネス)と、フィリップ殿下への呼びかけを使ってしまい、返す刀でフィリップ殿下に「Your Greace」(ユア・グレース)と、またも間違った言葉で呼びかける。野球ならストライクスリーのワンアウト、どころか夫人だけで4つも間違ってしまったのである。
さらには続くケネディ大統領も「Your royal majesty」(ユア・ロイヤル・マジェスティー)と余計な「royal」(ロイヤル)を足して女王に呼びかけ、ジャクリーン夫人をなぞって「Your Greace」(ユア・グレース)とフィリップ殿下を呼んでしまう。
この間、女王の筆頭秘書官は、大統領夫妻が間違いを犯すたびに「大統領が先、大統領が先だ!」「Your majestyだろ!」「カーテシーもなし!!」と声を震わせながらつぶやき続け、その挙句、隣で首をすくめていた補佐官に「プロトコルの説明書は渡したのか?」と厳しく問い詰める。
すると補佐官は「渡しました。しかし明らかにお読みになっていないようです」と呆然とした表情で答えるしかなかった。