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メーガン妃はなぜ“叩かれる”? 「空気を読む」日本とは違う英大衆の気質 容赦ないゴシップ攻撃の理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:森 昌利

社会的な地位がある「見栄っ張り」や「偽善者」には本当に手厳しい英大衆文化

 日本も島国で、限られた領土の中で大勢の人が仲良く暮らす知恵が発達した。それが「空気を読む」能力ではないか。と同時に、相手の気持ちを察して傷つけるようなことはなるべく言わないという文化も生まれたように思う。

 ところが同じ島国でも英国人はこの“逆”を行った。それは「本当のことならどんなことを言われても一緒に笑ってやり過ごす」という文化である。

 この文化が何よりも率直さを大切にする大衆を作った。いわゆる裸の王様を指摘した正直な子どもの感性を大切にしようということだろうか。真実は時折、人を傷つけることもあるが、真実を受け入れない人間は結局「不正直」で、「心から信頼するに足りない」という考え方だ。

 だから率直、正直が最も大切な英国の大衆社会で、一番嫌われるのが「思い上がった人間」となる。見栄っ張りや偽善者には本当に手厳しい。また嘘つきや、愚痴を言ってばかりいる人間も揶揄される。特に社会的な地位があり、普段は権威的な振る舞いをする人が精神性の乏しさをさらけ出すと、それは格好の「からかいの対象」となる。

 よく英国の風刺は強烈で、ブラックジョークがきついと言われるが、それはこうした大衆気質があるからだろう。「本当のことだろ、どうして言って悪い」という感性が世間の本筋となっているから、風刺が痛烈になるのだ。

 そこで皆さんに考えていただきたいのだが、ここまでセレブのゴシップで盛り上がる文化がある国で、しかも権威的な人間の思い上がりに厳しい国のメディアが、ヘンリー王子とメーガン妃のような存在を標的にしないことがあり得るだろうのか。

 結論から言ってそれはありえないのである。