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メーガン妃批判が吹っ飛んだ アンドリュー王子のスキャンダルが英国に与えたインパクト【前編】

公開日:  /  更新日:

著者:森 昌利

アンドリュー王子【写真:Getty Images】
アンドリュー王子【写真:Getty Images】

疑惑の払拭のために昨年11月にインタビューに応じた王子 これが裏目に…

 そんなエピソードの持ち主でもあるアンドリュー王子は、英国で間違いなく王室の核心にいる人物である。だから、これほど女王に近い人物に降りかかった今回のスキャンダルは、大げさではなく、英国の王室の存亡に関わるものなのだ。

 かつては王位継承権第2位だったエリザベス2世の次男が事もあろうにペドフィリアの性犯罪者と親交があった。それだけでも大問題なのに、バージニア・ジュフリーと名乗る女性が17歳だった2001年当時、アンドリュー王子と関係を持ったと訴え出た。実はこれも以前に出た話の再燃ではあるのだが、これが第3の問題として浮かび上がり、エプスタイン・スキャンダルを大炎上させた。後に論議の対象にもなるが、ジュフリーさんは証拠写真も持っていた。

 エプスタイン被告にはギレーヌ・マクスウェルさんという恋人がいた。彼女は、英国のメディア王だった大富豪のロバート・マクスウェルさんの末娘で、英国の名門・オックスフォード大学を卒業し、社交界にもデビューしていた。その恋人がなぜエプスタイン被告の“趣味”を助け、未成年者の少女買春を組織し斡旋したのか、その理由についてはまだ明らかになっていない。アンドリュー王子本人もそう証言しているが、ギレーヌさんとの親交があったことで、王子はエプスタイン被告と出会ってしまった。

 そのギレーヌさんが所有するロンドンの高級住宅街の住居で、アンドリュー王子が17歳の少女の腰に手を回し、にこやかな笑顔を浮かべて写真を撮られていた。ちなみにジュフリーさんによると、シャッターを切ったのはエプスタイン被告本人だったという。

 この暴露で追い込まれたアンドリュー王子は昨年、BBCのテレビインタビューを受けることを決意した。しかし自ら事態を収拾しようとして結果的には今回の一連のスキャンダルで最大となる「問題」も自ら生み出してしまうことになるのである。

(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)