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農家のおすすめはオクラと秋野菜の組み合わせ 温冷どちらでもおいしい秘伝レシピ2品
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初秋もおいしいオクラ 大きく成長した姿も涼やか
全国で1年中栽培されているオクラですが、主な旬は初夏から初秋にかけて。JA(農業協同組合)による9月のオクラ出荷ランキングを見てみると、1位は鹿児島県、2位は沖縄県、3位は高知県となっています。
茨城県にある我が家の畑では、7月頃から収穫が始まります。確かに夏のイメージは強いですが、我が家のオクラの樹は9月になっても花が咲き、実をつけてくれます。そして秋には、身長155センチの私と並ぶ背丈にまで成長を遂げるのです(背丈の生育具合は品種により異なります)。花の美しさも手伝って、残暑にも負けず凛と立ち並ぶその姿には涼やかな気持ちにさせられます。
オクラの栽培起源は古代エジプトから 日本へは幕末・明治に渡来
オクラの栽培起源は古く、エジプトで2000年以上昔に栽培の記録があったといいます。その後世界的にも盛んに栽培されるようになり、日本へは幕末・明治頃に中国から導入されたそうです。
少し珍しい分類である「アオイ科」野菜の1つで、モロヘイヤも同じ科の仲間です。どちらも栄養豊富かつ、刻むほどに極まるネバネバ感が共通していますよね。
オクラの仲間が持つ“ネバネバ” 和紙作りの原料にも活用
ちなみに、「アオイ科」特有の“根っこ”の粘液質は、和紙作りの原料としても利用されているのだとか。
オクラの近縁に、花を食べるタイプの“花オクラ”と呼ばれる品種(植物名は『トロロアオイ』、生薬名は『オウショクキコン(黄蜀葵根)』)があります。その根っこ部分は和紙作りの工程で繊維を均一に分散させるための粘剤「ネリ」として利用されているそう。
こんな活用法を発見した眼光鋭い先人はどなただったのでしょうか。オクラの実を樹からハサミで切り離し収穫する際に、微細な糸を引くのにも納得です。