食
大人世代が好きな学校給食1位はカレー 時代とともに変化する献立 物価高騰の影響も
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教えてくれた人:松丸 奨
給食はお手本 内容の低下は食事の重要性を軽視するリスクも
「給食はお腹を満たすだけが目的ではありません。食べる喜びや楽しみを得る時間でもあります。子どもたちが特に楽しみにしているのがデザートです。しかしデザートは、予算に収めるために真っ先に切られてしまう存在。さらにおかずなども1品少なくなれば、給食への“がっかり感”が増してしまいます」
給食はバランス良く食べることの重要性も意識しているもの。それにも関わらず「たったこれだけ!?」という内容がもしも続けば、子どもたちが食事の重要性を軽視してしまうリスクがあると、松丸さんは警鐘を鳴らします。
「『給食もあんな感じでOKなんでしょ? じゃあ、別に普段の食事も適当でいいじゃない』となってしまいかねません。給食は食事の手本となるものです。物価高の影響とはいえ、給食内容の大幅な変更はあってはならないのです」
登校拒否につながる可能性も これからも守っていきたい学校給食
大人世代のアンケートでは、「給食が好きでしたか?」という問いに対し「好き」が40%、「どちらかというと好き」が34%。実に7割以上が好きだったことが分かりました。
「給食の楽しみが減少してしまうことは、学校の楽しさが減ってしまう原因の一つになります。給食が直接の原因でないにしても、積み重なることで、登校渋りや登校拒否といったことにつながってしまう影響も考えられます」
多くの人たちを育んだ学校給食。給食の素晴らしさを知っている大人たちが一丸となって、非常に優れた日本の学校給食をこれからも守っていくことが大切です。
(Hint-Pot編集部)
松丸 奨(まつまる・すすむ)
文京区の小学校栄養士・栄養教諭。華学園栄養専門学校卒業後、栄養士として病院食の献立作成や栄養管理に携わる。2009年4月から文京区の小学校に勤務。13年の第8回全国学校給食甲子園(学校で実際に提供されている給食でおいしさなどを競うコンクール)で初の男性栄養士による優勝を果たす。フードコーディネーター&スタイリストとも活躍し、ドラマなどで監修を行うことも。