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王室主要メンバーから「引退」させられたアンドリュー王子 スキャンダルが英国に与えたインパクト【後編】
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エリザベス女王チャールズ皇太子森昌利ロイヤルファミリーアンドリュー王子
2020年になり、英王室に激震が走った。ヘンリー王子とメーガン妃夫妻が「王室の主要メンバーから退く」意向を表明したからだ。事前に相談もなく行われた突然の発表に、エリザベス女王をはじめ他の王族は失望や怒りなどが現地メディアで報じられた。女王には、もうひとつ悩みの種があった。昨年、再燃した自身の第3子アンドリュー王子のスキャンダルだ。現在はヘンリー王子とメーガン妃夫妻で、報道合戦は“休戦”状態となっているが、なぜアンドリュー王子が英国民に問題視されているのか。93年に渡英、ロンドン市内の出版社勤務の経験もあり、つねに現地の話題や情報の最先端に身を置く、英在住のライター・森昌利氏に、寄稿してもらった。後半をお届けする。
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1980~90年代には兄のチャールズ皇太子や故ダイアナ元妃とともに人気
エリザベス女王はもちろん、ヘンリー王子やメーガン妃、ウイリアム王子やキャサリン妃と比べると、日本では、それほどなじみがないのかもしれない。女王の次男で、チャールズ皇太子の弟である現在59歳のアンドリュー王子。王室から唯一フォークランド戦争にヘリコプターパイロットとして従軍し、イギリスでは英雄的な存在でもあった。かつて、亡きダイアナ元妃のフィーバーで沸いた1980年代~90年代にかけては、兄夫妻とともに人気を集めたイケメン。妻だったセーラ元妃と当時の“ファブ4”的な存在だった。
つまり、語弊があるかもしれないが、現代のヘンリー王子と「同じ立ち位置」にあったと言えば分かりやすいだろうか。現在、このヘンリー王子が妻のメーガン妃と「主要王室メンバーから退く」意向を表明したが、アンドリュー王子は「主要王室メンバーから外された」といえる。昨年、公務を離れ、240余のチャリティの後援から身を引き、当然、王室助成金の対象からも外れたことが発表されたのだ。表向きは、「自らが決めた」となっているが、あまりの醜態に、チャールズ皇太子、エリザベス女王から「追い払われた」のだった。
前編では、アンドリュー王子が巻き込まれたスキャンダル、そして英国に与えたインパクトについて記したが、後編は、そのスキャンダルについてアンドリュー王子が自らの潔白を証明しようと臨んだインタビューについて、潔白どころか、全英から反感を持たれて、自らの立場を追い込む事態になってしまったことについて、その動向と理由を取り上げていきたいと思う。