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王室主要メンバーから「引退」させられたアンドリュー王子 スキャンダルが英国に与えたインパクト【後編】
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エリザベス女王チャールズ皇太子森昌利ロイヤルファミリーアンドリュー王子
放映後、英国内では激しい非難の嵐 女王や皇太子は事態収拾に
日本でもこのインタビューに関する記事は出ているのだが、どの記事を読んでも英国本国で巻き起こっている、まさに竜巻のように激しい非難のニュアンスは伝わっていない。
インタビュー放映翌朝、11月17日付の英各紙一面は全てアンドリュー王子の批判記事で埋まった。さらにテレビのワイドショーも非難轟々だった。女王の元広報秘書官のディッキー・アバター氏は朝の全国ネットの情報番組に出演し「インタビューのどの部分がまずかったか」と聞かれて、「始まった瞬間から終わるまで」と吐き捨てるように答えたものだ。
そんな最中、王室も敏速に事態収拾を図った。インタビュー放映日の5日後となった2019年11月21日、アンドリュー王子が公務を離れ、240余のチャリティの後援から身を引いた。当然、王室助成金の対象からも外れたことが発表された。
アンドリュー王子の声明では、エリザベス女王とチャールズ皇太子との協議の上「自ら辞任を決めた」とされているが、これは実質的な解任だ。なぜ皇太子の弟がこれほど厳しく詰め腹を切らされたのか、それはやはりインタビューの内容である。特に批判と嘲笑の的となったポイントが3つあった。
まず第一に、被害者とされるバージニア・ジュフリーさんとの関係を否定するアンドリュー王子の反論に全く信憑性がなかったことだ。いやそれは反論と呼べるものではなく、見苦しい言い訳の連続で、マスコミはおろか、一般からもSNSを通じてアンドリュー王子を断罪する投稿が相次いだ。
○言い訳その1 「私は当時奇病を患っており、汗をかかない体質になっていた」
まったく奇想天外なものだった。これはジュフリーさんがロンドンのナイトクラブ「トランプ・クラブ」で出会ったアンドリュー王子の様子について「全くひどいダンサーだった。しかも汗だくになって踊っていて、その姿を見て気持ちが悪くなった」と証言していることに反論したものだった。
汗をかかない奇病とは何なのか。王子曰く「フォークランド紛争に参戦した際にアドレナリンの分泌がおかしくなったことが原因している」とのことだが、さり気なく“自分は戦争のヒーローである”こともほのめかして、汗だくだったという証言を「不可能だ」と一蹴した。
この反論に一般大衆が一斉に反応した。SNS上にアンドリュー王子が汗まみれになっている写真が大量に投稿されたのである。それも年恰好からして、ジュフリーさんと出会った2001年頃と思われるアンドリュー王子の写真だった。